2012年4月6日金曜日

おしゃぶり〜歯科おしゃぶり対談記事(多摩市亀山歯科医院)


おしゃぶり〜歯科おしゃぶり対談記事(多摩市亀山歯科医院)


おしゃぶり対談記事(東京歯科保険医協会新聞)

多摩市亀山歯科医院

3歳までの使用ですべてが不正咬合に(米津卓郎・東京歯科大講師に聞く)

 小児の口腔をめぐる環境は個々の患者さんや地域によってさまざまです。おしゃぶりについては、「発育によい影響を与える」などその効果を積極的に受け止める意見がある一方で、交叉咬合になるなどの側面もあるようです。それぞれの立場によって、いろいろな意見があり、臨床の現場でどのように考えたらいいのか、お母さん方にどう対応すべきなのかなど、識者などにお話をうかがい、子供たちの健康を考える上で参考にしていただければと考えます。

米津卓郎・東京歯科大講師(左)と聞き手の亀山孝将理事(右)

 今回は米津卓郎先生(東京歯科大学小児歯科学講座講師)にお話をうかがいました(聞き手は亀山孝将理事)。今後、識者や患者さんのお母さん方などにお話をうかがう予定です。

――私はおしゃぶりを勧める情報ばかりが氾濫する状況に以前から危惧を抱いていましたが、昨年、米津先生の論文を拝見し、われわれ歯科医師からおしゃぶりに対して正しい知識を持つ必要があると思いました。間違った認識は子供たちの健全な発育に悪影響を及ぼします。

おしゃぶりは最初から使わないのが一番

――まず、おしゃぶりに対してどのような視点をお持ちで、乳幼児へのおしゃぶりの利点・欠点や使用させるべきかどうかなどをうかがいます。

� ��津卓郎先生 おしゃぶりは口の中の発達や歯並びへの影響などからすると、二歳ぐらいまでにやめていただければ問題は出ないでしょう。ただし、カンジダ菌や乳酸菌が繁殖したり、おしゃぶりを使用する子供に中耳炎や呼吸器系疾患が多いなど、総合的にみると最初から使わないのが最善と考えています。

 おしゃぶりの唯一の利点は、未熟児に吸啜力を付けさせることと、一種の麻酔効果があることです。麻酔効果とは、例えば赤ちゃんに注射する時、おしゃぶりをくわえさせるとあまり泣かないそうです。

――知り合いの子供はおしゃぶりを付けている時にはおとなしかったのに、おしゃぶりをやめると急によくしゃべり走り回るようになりました。

 米津先生 子供は口をふさがれている状態ではしゃべれないの� �、言語の発達は遅れると思われます。吸啜時間から考えますと、指しゃぶりよりおしゃぶりの方が圧倒的に長いというデータもあります。そこで総合的に言うと私の考えはおしゃぶりは最初から使わない方がよく、指しゃぶりしていてもかまわないのではないか、というものです。

おしゃぶりの影響は

――ではおしゃぶりでどのような影響がありますか。

 米津先生 一歳半、二歳、三歳において、おしゃぶりを使用している子供は、そうでない子供より、圧倒的に開咬、上顎前突の発現頻度が高い(グラフ参照)。ただし、おしゃぶりは指しゃぶりより比較的早くやめる傾向にありますが。

――米津先生が執筆された「日本歯科評論」七百三十七号の論文を見ると、一歳半で三〇%の子供に開咬が発現、二歳で六〇� �、三歳児で一〇〇%開咬もしくは交叉咬合で非常に高い発現率で怖いですね。開咬の結果、前歯で噛み切れなく横にずらして噛むので交叉咬合になると解釈していいですか。

 米津先生 おしゃぶりを使っている子供は上顎が狭窄し下顎の歯列弓が拡大します。そうすると交叉咬合にならざるを得ない。アイオワ大学の調査によると、下顎の乳犬歯間幅経が拡大し上顎は狭窄するようです。舌が下がるので上顎は狭窄せざるを得ない関係だと思います。

――それに吸うので陰圧になるのでは。「評論」誌ではおしゃぶり使用で鼻呼吸ではなく口呼吸をむしろ促す傾向があるとも指摘されていましたが。
 
米津先生 これは仮説ですが、開咬になると口唇の閉鎖ができにくくなり、口を空けたままになります。すると楽な方から呼吸し始めるので口呼吸に移行するのではないかと考えています。「口呼吸を防ぐためにおしゃぶりを使いなさい」と言われる方もいますが、使い過ぎると逆に口呼吸になる可能性が高いと思います。

――私の患者さんでも、先生のデータに見られるように、反対咬合の状態になりました。しかも舌が低位になり、寝ている時も舌を出したままあるいは唇に挟んだまま寝ている状態になっている。何ヶ月か経過すると多少よくなるが、それ以上はよくならない。

 米津先生 以前、指しゃぶりの咬合に与える影響を研究しましたが、指しゃぶりの方が予想がつく咬合状態になります。おしゃぶりの場合は、� �顎の狭窄、下顎の拡大、交叉咬合など、わけの分からない歯並びになります。それに舌の位置も低位になり、正常な嚥下もできなくなります。そこで、かえって指しゃぶりより悪影響を及ぼすと私は思っています。

――私も同じような意見です。「おしゃぶりは柔らかいから歯に影響があまりなく、指の方が分厚いから歯に影響がある」と考えられる方が多いようですが、私が見ている限り、おしゃぶりの弾力が矯正力として働いて急速に柔らかい骨の子供の歯を広げてしまうと考えています。

交叉咬合の治療法

――もしもおしゃぶりを使っていた子供が交叉咬合になってしまった時の治療法は。

 米津先生 開咬に関しては指しゃぶりでも起こりますが、自然に治る可能性が十分あります。しかし、舌の突出癖など� �二次的な習癖が発現した場合は矯正しないといけません。


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――それは舌の悪習癖のことですね。

 米津先生 交叉咬合は咬合誘導しないと治らないので、上顎を広げるとか下顎を縮小させるなどしなければいけません。交叉咬合を乳歯列でそのままにしていると必ず永久歯列も交叉咬合になります。

――ということは、顎も曲がって正しい成長をしないということですね。

おしゃぶりの研究を始めるきっかけは

――おしゃぶりを研究を始めるきっかけは。

 米津先生 指しゃぶりのことを長年研究していたのがきっかけで、一九九九年四月にアイオワ大学に留学しました。そこで小児・予防・矯正歯科の共同研究に携わり、哺乳瓶、母乳、おしゃぶりなどの歯並びへの影響を研究したのがきっかけです。� �のアメリカでもおしゃぶりはこれからは減っていくと思います。

お母さん方へのアドバイスと注意点

――お母さん方へのアドバイスがありましたら。

 米津先生 おしゃぶりはお母さん方にとっては非常に便利なものだと思います。しかし、お母さん方にはそういうものに頼らず頑張って自分の力で育児してくださいと言いたいです。ちなみに、指しゃぶりですが、私が持っているデータからすると三歳ぐらいにやめていただけると、咬合もそのうちきれいになります。以前は指しゃぶりをする子供は育て方が悪いと言われ、ノイローゼになるお母さん方が結構おられたと聞きます。先生方がもう少しいろいろな文献をお読みになって、おおらかな気持ちでお母さん方を指導していただければ、指しゃぶりも自然に消失しま すし、一次的に不正であった咬合も正常になります。

――それでも育児ではおしゃぶりをやむを得ず使うこともあるかと思いますが、その時の正しい使い方は。

 米津先生 清潔に、時間を決めて使っていただきたい。また二歳になるまでにやめていただきたいですね。

――時間は一日どれくらいですか。

 米津先生 長時間ではなく寝る前にちょっと使用する程度にしていただきたい。

 最後に言いたいのは、子供を専門にしている者にとっては、子供の成長・発達を正常に誘導する義務があります。そこで、お母さん方に指導する場合は、自分の言葉に責任を持っていただきたいです。

――ありがとうございました。


おしゃぶりは鼻呼吸と発達を促す  3、4歳までおしゃぶりを
(西原克成・西原口腔科診療所院長に聞く)

おしゃぶりは「歯並びに影響がある」と考えられていますが、「発育によい影響を与える」との意見もあります。今回は子育て医学に関わる著書の多い西原口腔科診療所院長の西原克成先生にお話をうかがいました(聞き手は亀山孝将理事)。

西原克成・西原口腔科診療所院長(左)と聞き手の亀山孝将理事(右)

口呼吸の危険性を踏まえてほしい

――日本免疫病治療研究会の会長をされていますが、免疫病とはどういう病気ですか。

 西原先生 免疫病とは、全身の免疫系の疾患で、白血病、喘息、膠原病、甲状腺炎など多岐にわたるものです。先生方には乳幼児の健康を考える上で「歯並びさえよければいい」と考えるのではなく、「口呼吸」の危険性も踏まえて考えてほしいですね。

二歳まで� �母乳中心で子育てを

――それでは、乳幼児の健康に関わるお話をまずうかがわせていただきます。

 西原 私は離乳を開始させる目安を生後五ヶ月とする厚生労働省の考えとは異なり、二歳まで母乳だけで育て、二歳半までは母乳中心で育てるよう指導しています。これは一九七〇年代終わりにアメリカで起こった「乳児ボツリヌス菌症事件」※で、アメリカでは早期に離乳食に移行させる考え方は否定されました。そこから学ぶべきことは、新生児・乳児の腸の働きは成人のものとは全く異なっていることを認識した上で食事を与えなければさまざまな病気のもとを作り出すということです。胃酸や蛋白質分解酵素の分泌がほとんどない新生児は、母乳中の蛋白質の栄養分だけは分解ができる。また免疫蛋白質を作る能力を持� ��ていません。早期にスプーンで異種蛋白質を含む離乳食をとらせると口呼吸を覚え、アレルギー体質症候群の原因となると考えられています。よって、離乳食は与えず、二歳半以降は純白米を食べさせることを勧めています。離乳食は低体温の原因になり、消化不良により緑便になり、潰瘍性大腸炎になる可能性もあります。

  ※…七六年〜七八年にかけてアメリカで、乳児用に販売された蜂蜜がボツリヌス菌の芽胞に汚染され多くの乳児がその毒素に犯され発症し死亡者がでた事件。

口呼吸が免疫病のきっかけに

――おしゃぶりについてどのような視点をお持ちですか。

  西原 一歳までの赤ちゃんの呼吸と成人の呼吸の仕組みが違うのはご存じでしょうか。赤ちゃんは成人とは異なり、哺乳類段階の咽喉構造を持ち、口呼吸はできません。咽喉部の扁桃には多くの免疫機能がありますが、早期の離乳食などによって口呼吸になれば、直接、空気からの毒物やバイ菌が体内に入り、「免疫病」のきっかけとなります。(左表参照)

吸啜活動により脳の 発達の引き金を引く

――口呼吸と免疫病は関係があるのでしょうか。

  西原 腸管扁桃域で、普通なら無害の常在菌の慢性的な感染症が引き起こされ、白血球が細菌やウィルスを抱え込み、さらに白血球の慢性的感染が各種器官に拡散していくとこのような疾患が発症すると私は考えています。最近では小児喘息も「単なる雑菌による気管支の炎症ではないか」との説も出ており、「口呼吸」が原因とも。

  私は免疫病の治療として、私が開発したピジョン社のおしゃぶりを使っています。鼻呼吸を習慣付けるためにどの子供にでも、三、四歳まで使うように指導しています。大人にはマウスピース型のおしゃぶりを開発しました。


何christamsは1930年代に同じようなものだよね

  また大切なのは乳児の大切な時期に吸啜活動により脳の発達の引き金を引く作用があるということです。舌には人類だけにしかない脳の地図があります。脳の発達とともに、おしゃぶりを使わないと脳の発達の引き金、言葉を話したり、ものを考えたりすることが促されないのです。

おしゃぶりは正しく 使うことが大切

――おしゃぶりを正しく使用するにはどのような注意が必要ですか。おしゃぶりの形態・大きさとか使用時間は。

  西原 「口呼吸習癖」は睡眠時におしゃぶりをすることでかなり是正されます。おしゃぶりをただ使っていればいいのではなく、両親が正しい使用法を子供に教えることが必要です。使用時間は四六時中でも問題はありません。

――指しゃぶりでもいいのですか。

  西原 指しゃぶりは、決まった指で行い寝相が連鎖するため顔も身体も歪んで真っ直ぐに歩けない子が育ちますのでお勧めいたしません(上図参照)。

――正しくおしゃぶりを使用していたとしても、乳幼児に開咬や交叉咬合など咬合異常が見られる時はどうしたらいいでしょうか。

  西原 おしゃぶりを正しく使えばおそらく軽微な開咬になるだけです。寝相が悪ければ交叉咬合も考えられますが。四、五歳まで使って三十回口を閉じてモノを噛ませれば、歯の交換期に自然に開咬はなくなるでしょう。

――開咬の所見が見られる場合、おしゃぶりの使用は中止する必要はないのでしょうか。

  西原 おしゃぶりを中止する必要はありませんが、正しく使用するよう指導することが必要です。それは睡眠時の正しい寝方を身につけること、起きているときの食事の取り方や姿勢などです。

――口呼吸が免疫病の原因となること、その治療法としておしゃぶりを使用されていることが分かりました。開咬の発現があった場合には歯科医師の指導・管理のもとで使用することが大切ですね。ありがとうございました


おしゃぶりのリスクも きちんと教えてほしい
(患者さんの お母さんに聞く)

市販のおしゃぶりを常用している乳幼児に歯のかみ合わせがおかしくなる咬合異常が多数発生していることが最近の臨床データで分かってきました。上下の前歯の隙間が開いて食べ物が噛めなくなる開咬や、その結果、引き起こされる下あごが横にずれた交叉咬合などです。東京歯科大学小児歯科で一九九七年十月から九九年三月の間に生まれた千百二十人を対象に行った調査によると、一歳六ヶ月でおしゃぶりを使っていた六十八人のうち二十一人(三〇・九%)が開咬、二歳では四十六人のうち二十九人(六三%)が開咬、三歳では九人のうち七人(七七・八%)が開咬、二人(二二%)が交叉咬合との結果で、おしゃぶりを使っていた全員がかみ合わせの異常を起こしていた、というデータが一昨年発表されました。

今回はおしゃぶりを使用した結果、開咬となりいまだ悪習癖が治らないという子どもの悩みを持つお母さんの●●さん(神奈川県にお住まい)に話を聞きました。●●さんは、おしゃぶりに対するリスクを含めた正確な情報があれば子どもの矯正は将来必要なかったのではないかと振り返られています。現在の主治医である亀山孝將理事が話を聞きました。

 ●●さん(左)と聞き手の亀山孝将理事(右)

おしゃぶりはやめさせなくても…との情報が氾濫して

――おしゃぶりを使い始めたきっかけは。

●●さん 長女(現在四歳)は生後数ヶ月の頃からおしゃぶりを使い始めました。眠くなってぐずってきた時にのみ、使わせていました。その後、一歳を過ぎる頃まで、おしゃぶりをするとぐっすり長く寝てくれてい たので、就寝後におしゃぶりをとることはせず、そのまま寝かせていました。

――寝ている間ずっとおしゃぶりを使用するのは良くなかったですね。

●●さん 一歳児検診などいろいろな検診の際に、小児科医、歯科医、助産婦の方々におしゃぶりの害について尋ねましたが、まだ小さいので特に無理にやめさせなくても大丈夫との返答を受けました。私たち夫婦も、育児書やインターネット、知人の話といった情報収集の結果、無理におしゃぶりをやめさせなくてもよいと感じたので、なんら心配することなくおしゃぶりを娘にさせ続けていました。

長男は二歳でおしゃぶりをやめ、現在(八歳)まで歯並びや話し方に何の影響もなかったので、長女にも二歳になった時におしゃぶりをやめさせようとしました。しかし、� ��女にやめる気がなく、それどころかおしゃぶりをすると落ち着くようであったため、どこへいく時にも眠くなった時にすぐ与えられるよう、おしゃぶりを持ち歩くようになりました。

しかし、三歳になったころから、開咬になって前の歯がきちんと閉じず、隙間ができていることに気づきました。そのため、言葉の発音(さ行)が正しくできない、麺類などを前歯で噛み切ることができない、という支障が出てきました。そのうち、癖としてあごを少し前へ出すことが多くなりました。

おしゃぶりによる開咬(初診時)

初診時から6ヶ月後。おしゃぶりの使用をやめたため垂直方向の開咬はかなり改善されたが舌が低位になったため
上顎が狭窄、下顎が拡大し反対咬合を引き起こしている

おしゃぶりやめてその結果に確信
●●さん 歯並びが悪いのは遺伝や生まれつきなので仕方がないのだろうと思い、小学校へ入るくらいになったら矯正歯科へ通わせようと思っていましたし、歯科医の先生も矯正が必要とおっしゃっていました。しかし、その後、母の紹介で亀山さんに見ていただき、歯並びが悪いのは遺伝ではなくおしゃぶりのせいだとわかり、即座におしゃぶりをやめさせました。すると、一ヶ月ほどで前歯の隙間が半分以下になっていました。この事実を見て、長女の歯並びは遺伝ではなく、おしゃぶりのせいだと確信しました。


どのようにベースからASIDを伝えることができます

――おしゃぶりを使用したことのある小児は、ない小児に比べ、上あごの前突、開咬、交叉咬合の発現率はとても高いことが分かっています。現在はどうなさっていますか。

●●さん 長女がおしゃぶりをやめてから八ヶ月経ちましたが、隙間はほとんどなくなりました。しかし、おしゃぶりを四歳近くまでしていた長女はその癖がぬけず、おしゃぶりをしないかわりに、自分の舌を吸う癖がついていて、今も眠くなった時には舌を吸っています。そのせいか、下あごの歯が以前より前に少し出てきました。最近では無意識のうちに少しですが歯ぎしりもするようになりました。

――おしゃぶりを使用することで舌の位置が低く誘導されま す。また口腔内が長時間陰圧になることで上あごの歯列弓幅径が狭小となる反面、下あごの歯列は舌が低位になることで歯列弓幅径が増大され上下のバランスが崩れるという仕組みになっているようです。おそらく●●さんのお子さんも同様な状況になったのでは。

●●さん 私たち夫婦がいろいろとおしゃぶりに関して情報を集めた際、「おしゃぶりは悪いことではなく、指しゃぶりなどよりはずっと良い」という情報が溢れていたので、早急に止めないといけないなどという危機感は全くありませんでした。情報として、何歳頃までのおしゃぶりなら良くて、何歳以降になるとどのような悪影響があるのか、といった、年齢や発育に応じた事実を知ることができていれば、と思います。

――今分かっているのは、二歳までに� �めること、清潔に使うこと、それからおしゃぶりをどうしても使う場合は一日一時間程度でやめてほしいことなどでしょう。

メーカーは リスクの説明を

――おしゃぶりメーカーにはリスクを含めたきちんとした情報を説明書に記載する責任があります。リスクを知っていれば、ちょっと開咬したらおしゃぶりのせいだとわかり、やめる選択ができます。

●●さん 普通の方は歯並びが悪くなっても、おしゃぶりのせいではなく、遺伝かなとか思ってしまう。おしゃぶりのパッケージをみると、「お口に合うおしゃぶりをしましょう」「清潔に使ってください」「鼻呼吸になって発育に良い」などと書いてあります。おしゃぶりをずうっとしていると弊害があるとは書いていないので、それが分かるようにしてほしいですね。その上で親がおしゃぶりを使用するかどうかを選択するのであれば良いのでは。

同じ過ちを繰り返さないために

――厚労省はこのよ うなおしゃぶりの使用で咬合異常が発生するという情報を母子手帳等に載せるべきだと思います。また医科・歯科大学等での学生教育の問題もあるかと思います。

●●さん 親が熟考の末の選択として長女におしゃぶりを与えたのに、その結果、歯の矯正をしなくてはいけない状況にさせてしまったことを深く反省する一方、世の中に不正確な情報が満ち溢れていることに強く憤りを感じます。また、亀山さんにお会いできたお陰で、間違いを修正できて本当に良かったと思っています。歯は一生使う大事なものですから、今後、多くの方が私たちと同じ過ちを繰り返さないことを、心から祈っています。そのための活動をよろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。



おしゃぶりによる歯列変� ��・顎顔面変形のメカニズムについて

1.おしゃぶりの素材となっているゴムやシリコンの弾力が一種の矯正力として働き、骨の柔らかい小児の歯列と顎骨を急速に変形し開咬・口唇醜形等の顎顔面変形を引き起こす。また開咬のため口が閉じなくなり口呼吸になる。

2.おしゃぶりの長期使用が舌の位置を低位に誘導・定着させるため、舌圧不足による上顎骨の劣成長と過剰舌圧による下顎骨の過成長を引き起こす。その上下顎骨の不調和成長が上顎歯列弓と下顎歯列弓の対合関係を崩壊し交叉咬合・下顎前突等の不正咬合を引き起こす。

3.おしゃぶりを中止して開咬が改善したのちも低位舌により変化した成長ベクトルが年月と共に下顎前突、交叉咬合等の重篤な顎顔面変形をさらに悪化させ治療を困難にする。� ��歯列期の下顎前突が永久歯列期も下顎前突になる率は93,6%(永原)。乳歯列期の交叉咬合が永久歯列期も交叉咬合になる率はほぼ100%と言われている。



おしゃぶりを使用して歯列変形・顎顔面変形を引き起こした症例

6歳9か月男児 開咬、交叉咬合、ピジョンおしゃぶりを生後6か月から3歳まで1日約2時間使用。脳が発達すると言われ保健婦や周囲に奨められた。

1歳9か月男児 開咬(2ミリ)、ピジョンおしゃぶりを1歳前から1日約10分〜2時間使用。1歳半検診で2歳まではよいといわれた

2歳6か月女児 開咬(1ミリ)、ヌークおしゃぶりを生後すぐから現在まで1日約1時間から2時間使用。歯科医に聞いても平気だといわれた。

3歳3か月女児 交叉咬合 � ��販おしゃぶりを生後3か月から2歳までぐずったときに一日中使用。おしゃぶりはよいと言われていたから。

3歳11か月女児 開咬(2〜3ミリ)、市販おしゃぶりを生後すぐ寝るときのみ使用。3歳までにやめてと言われた。

1歳1か月男児 開咬、ピジョンおしゃぶりを生後6か月くらいから現在まで寝るときと泣いたときに一日1時間以内で使用。

3歳6か月男児 開咬(2ミリ)、ピジョンおしゃぶりを生後すぐから現在まで一日約1時間くらい寝るときや家にいる時に使用。

2歳1か月女児 開咬(5ミリ)、ヌークおしゃぶりを生後6か月から現在まで寝るときやぐずったりしたとき一日約1時間から2時間程度使用。

2歳7か月男児 交叉咬合、ピジョンおしゃぶりを生後4〜5か月から現在ま で寝るときと外出時に使用。

3歳6か月男児双子 開咬(5ミリ)、ピジョンおしゃぶりを生後1〜2か月から現在まで寝る時と泣く時に一日約5〜6時間使用。4歳くらいまでなら鼻呼吸になるから良いと言われた。


3歳4か月男児 開咬(5ミリ)ピジョン・ヌークおしゃぶりを生後3〜4か月から現在まで寝る時と昼間一日約5時間程度使用。

3歳4か月男児 開咬(1ミリ)ピジョン・ヌークおしゃぶりを生後3〜4か月から現在まで寝る時と昼間一日約5時間程度使用。

3歳2か月女児 交叉咬合・下顎前突、ピジョンおしゃぶりを生後6か月から現在まで寝る時昼2時間・夜1時間使用。

2歳8か月女児 開咬(1〜2ミリ)・交叉咬合、ピジョンおしゃぶりを生後1か月未満の頃から現在まで欲しがる時はいつでも一日約4〜5時間使用。

2歳8か月男児 開咬(3ミリ) ピジョンおしゃぶりを生後0か月から現在までおとなしくさせるために一日約5〜6時間使用。

2歳4か月男児 開咬(1ミリ)ヌークおしゃぶりを生後3か月頃から現在まで寝る時に一日約2時間以上使用。子供に良いと思っていた。

1歳9か月女児 交叉咬合 ピジョンおしゃぶりを生後2か月から寝る時に一日約5時間使用。知り合いに奨められて使用した。

2歳6か月男児 開咬(1〜2ミリ)ピジョンおしゃぶりを生後1歳前から寝る時と日中おとなしくさせるため一日約5〜6時間使用。

2歳0か月女児 交叉咬合 ピジョンおしゃぶりを生後2〜3か月頃から寝る時に1時間程度使用。1歳半検診でやめさせた方がよいと言われた。

2歳6か月男児 開咬(5ミリ) ヌークおしゃぶりを生後3か月頃から寝る時に一日約4〜5時間使用。鼻呼吸と顎の筋力のために使用。

2歳11か月男児 � ��咬(2〜3ミリ) ヌークおしゃぶりを生後3か月から寝る時に泣くので使用。

2歳9か月男児 開咬(3ミリ) ヌークおしゃぶりを生後すぐから現在まで1歳半まで一日中、その後は寝る前約1〜2時間泣きやませるために使用。

2歳0か月女児 開咬(2〜3ミリ) ヌークおしゃぶりを生後6か月ぐらいから鼻呼吸のために一日約2〜3時間使用。こうなると知っていればやらせなかったのに。

4歳2か月男児 開咬(5ミリ) ピジョンおしゃぶりとヌークおしゃぶりを生後2か月頃からぐずらせないため寝てる時ずっと使用。

2歳6か月女児 開咬(2ミリ) ピジョンおしゃぶりを生後3か月頃から一日中落ち着かせるために使用。言葉が遅くなりますといわれ止めさせたい。

2歳3か月男児 開 咬(2〜3ミリ)、市販おしゃぶりを8か月頃から友達を見て一日中使用。

5歳7か月男児 交叉咬合、市販おしゃぶりを生後すぐ一日中使用。

5歳7か月女児 開咬(1〜2ミリ)ヌークおしゃぶりを生後10か月頃から鼻呼吸のために寝る時とぐずった時に一日約10時間使用。

1歳10か月男児 下顎前突、ヌークおしゃぶりを生後8か月頃から1か月前まで寝る時に使用。

5歳9か月男児 開咬(2〜3ミリ)、ヌークおしゃぶりを2歳頃まで使用。

2歳9か月女児 開咬(5ミリ)、ヌークおしゃぶりを1日約20時間使用。

1歳6か月女児 開咬(2ミリ)、下顎前突、ヌークおしゃぶりを1日約10時間使用。



おしゃぶりで知能低下(ランセット、1996)  Lancet. 1996 Apr 20;347(9008):1057.  Breastfeeding, dummy use, and adult intelligence.  Gale CR, Martyn CN.  MRC Environmental Epidemiology Unit, University of Southampton,  Southampton General Hospital, Southampton, UK.  BACKGROUND: Several studies show that children who were breastfed  as babies gain higher scores on intelligence tests than those  who were bottlefed. Although these findings suggest that  breastfeeding in early life may promote cognitive development,  their interpretation is complicated by the current association  between breastfeeding and higher social class. We investigated  the relation between method of feeding in infancy and adult  intelligence in a setting where breastfeeding was not linked  with socioeconomic advantage.  METHODS: We followed up 994 men and women, born between 1920 and  1930 in Hertfordshire, UK, for whom information on infant  feeding had been recorded by health visitors. Intelligence was  measured by the AH4 IQ test, taken on a computer. Factors  significantly linked with IQ were investigated by multivariate  analysis.  FINDINGS: Study participants who had been exclusively breastfed  gained slightly higher scores on the IQ test than those who had  been exclusively bottlefed, or fed with both breast and bottle.  IQ was lower in participants who had used a dummy (pacifier) in  infancy, in those whose fathers were in manual occupations at  the time of their birth, and in those whose mothers were young  at the time they were born. Scores on the IQ test fell as the  number of older siblings increased. In multivariate analysis,  after adjustment for the effect of all other variables, no  association was found between adult intelligence and method of  feeding. Dummy use in infancy, number of older siblings,  maternal age at birth of the participant, and father's  occupational class remained independent predictors of adult  intelligence.  INTERPRETATION: The mechanisms that link type of feeding in  early life with later intelligence may have more to do with  the child's social environment that with the nutritional  qualities of the milk.

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